米価は上がってはだめなのか?
米価は上がってはだめなのか?
米価が高止まりしたままである。政府も備蓄米の放出などさまざまな手立てを講じているが、目に見えた成果は少ない。多くのマスメディアの論調は、政府の米価高騰への対策に対する非難である。
待てよと思う。調べてみると今の米価は、三十数年前のピーク時とほとんど同じである。この間、機械代や燃料代や資材代、人件費等々ほとんどのものが値上がりしている。にもかかわらず米価は凸凹はあっても、傾向として右肩下がりであった。時給10円産業とも揶揄されている。
他の食料はじめ多くのものは値上がりしている。そのなかにあって、米価だけが値上げを指弾されなければならないのかおおいに疑問に思っている。
農業や漁業は食料生産という、国民の命に係わる産業だ。そのような大切な産業に従事する人たちが、食べていけないからと離農離漁していくことは、由々しき問題と思う。政府が掲げる食料自給率の向上は、絵に描いた餅になりかねない。
米や野菜、肉魚が農業者や漁業者そして消費者がウィンウィンとなるためには、給料や年金と物価が好循環することが肝要と思う。食料を生産する産業が儲かる産業になることが、不安定な国際情勢の中で結果として国民を守ることにつながると信じている。